漆黒の闇に、偽りの華を
あたしはそのまま俯きながら、首を横に振る。
「疲れましたか?」
恭は心配そうにあたしの前で屈み、顔を除き込む。
「ちょっと……疲れた。
どんな人達かと、ずっと気を張ってここまで来たから……。」
恭がふっと微笑むと、優しくあたしの頭を撫でてくれる。
「みんな見た目より気のいい奴らでしょ?」
あたしは頷く。
一番意外だったのはあなただけどね。
と心の中で付け加えながら。
「解散したらさ、みんなそれぞれの家に帰るの?」
「そうです。俺と直と春馬は、一人暮らし。太一と百合は一緒に住んでます。」
「みんな実家じゃないんだ。」
「幹部にまともに実家がある奴なんていないですよ。」
恭は、何食わぬ顔でそう言うと立ち上がる。
「みんな色々事情がある奴らばっかなんですよ。だから、ここ(煌龍)が俺達の家族みたいなものなんです。」
「……あなたも?」