漆黒の闇に、偽りの華を

「そうですか。
でも、これからは一人ぼっちじゃないですね。」


「え?」


「俺達が茉弘の家族でしょ?」


恭と目が合う。


相変わらず優しく笑ってる。



何それ。


何言ってくれちゃってんのよ。


まだ出会って間もないのに、家族なんて。


あたしの事なんて、何も知らないくせに。


あたしが何でここに居るかなんて……知らないくせに。


胸の奥がちくんと痛む。


あたしは、思いが顔に出ないように気を付けて、


「うん。」


と言って俯いた。

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