漆黒の闇に、偽りの華を

「さぁ、そろそろ行きますか!茉弘は明日学校でしょ?少しくらいは寝ないとね。」


「今から急いで帰ったって、どの道大して寝られないから。
家ここから結構距離あるし、明るくなってから自分で電車で帰るよ?」


「ふ。俺を誰だと思ってるんですか?」


「へ?」







「ぎゃああああ~~~~~~!!!!」


それから数分後、あたしは奇声を発していた。


「振り落とされないように、ちゃんと掴まってて下さいよ!」


言われなくても掴まるわよ!!


恭のバイクの後ろに乗せられたあたしは、もの凄いスピードで滑走する恭に振り落とされないように、必死にしがみついていた。


人生初の男の人とのバイク二人乗りだっていうのに、ムードの欠片もない。

景色なんて観てたら絶対酔う!

無理!!


「つ、捕まるよ!警察!捕まるよっ!」


「あはは!そんなヘマはしませんよ。これでも道選んで走ってますから!」


そっか。


こんなのこの人にはお手のものだった!


こう見えて暴走族の頭だもんね。


って、納得してる場合か!!


「スピードぉ!スピード下げてぇぇ~~~~~!!!!ぎゃああああ~~~~!!!!」

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