漆黒の闇に、偽りの華を

そうこうしてる内に、


「着きましたよ。」


と言って恭が振り向く。


早い。うん。早いよ。


確かに、この距離を10分くらいで着くのは凄いよ?


いや、でもさ……


「もう……恭の後ろは乗らない……」


「え!?何で!?」


「もうここで大丈夫だから……じゃーね。送ってくれてありがとう。」


あたしは渋々頭を下げ、ふらふらとその場を後にする。


すると、腕を捕まれ引き戻される。


「家の前まで送りますから。」


「……え。いいよ。」


「駄目です。」


「本当にいーから!」


「だーめーです。」

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