漆黒の闇に、偽りの華を
そんな潤が、学校に私を訪ねて来るという事は、必然的に私が"鷹牙"との繋がりがあるという事を示すわけで……。
「今、あたしがしてる事分かってるよね!?」
「怒ってる……」
「そうじゃなくてっ!!!」
潤は、見た目とは裏腹にとにかくマイペースでこの調子。
昔から何度ヤキモキさせられたか分からない。
「あたし今、"煌龍"に潜入してるの!!やっとの思いで潜り込んだの!!"鷹牙"との繋がりがバレたら、全部水の泡!!分かるっ!?」
「その件で来たんだけどさ。」
今まですっとぼけていた潤の空気が変わる。
これがあの"鷹牙"の副総長の所以なのか。
何とも言えない威圧感に、思わず一歩後ずさる。
「バカなことは止めろ。」
「……その事ならもう何度も話したでしょ?」
「俺はまだ納得してない。」
潤の視線が、あたしに突き刺さる。
潤はいつからこんな目をするようになったんだろう?
込み上げて来るものを、ぐっと押し込める。
「……潤の意見なんて関係ない。
これは、あたしと葛原(くずはら)の契約よ。」
「今なら、俺が将生さんを説得出来る。まだ取り返しが付く。
今すぐ"煌龍"を離れろ。」
「嫌っ!!」
そう叫ぶと同時に、押し込めていた物が溢れ出す。