漆黒の闇に、偽りの華を

「言ったでしょ!?あたしは、絶対に葛原から潤を取り戻すっ!!!

それで、潤とまた前みたいに……他愛もないことで笑いながら、一緒に生きていきたいのっ!!!」


あたしは潤の服を両手で握り締めながら、項垂れる。


溢れる涙が落ちて、アスファルトの色を変える。


「分かって、茉弘……。もう前みたいには、戻れないんだよ……。」




ねぇ。


何で?


何でそんな事言うの?


戻れるよ。


戻れないわけないんだよ。




あたし達は、血を分けた兄弟なんだから。



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