漆黒の闇に、偽りの華を
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潤とあたしは、ずっと一緒だった。


それこそ、産まれる前からずっと。


あたし達は、二卵性双生児、いわゆる双子だ。


優しい両親に、愛情たっぷり育てられたあたし達に転機が訪れたのは6年前。


あたしと潤が10歳の時だった。


あたしはショックのせいかよく覚えていないけど、家族4人で乗っていた乗用車に、居眠り運転のトラックが突っ込んで来たらしい。


奇跡的にあたしと潤はかすり傷程度で済んだ。



でも、両親は二人共助からなかった。



あたしと潤は、すぐに遠い親戚の家に引き取られた。


親戚の家は、とても裕福な子供のいない夫婦。


最初は、自分達の子として迎えるように、凄く歓迎してくれた。


でも、一年くらい経った時に二人の態度が一変する。
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