漆黒の闇に、偽りの華を
二人はまだ11歳のあたし達を残して、夜中まで外出することが多くなった。
あたし達だけで食事をするように、現金だけを渡し、自分達は高い外食ばかりしていた。
多分二人は、あたし達の事が鬱陶しくなったんだと思う。
あたし達双子を育てるには、自分達の時間を沢山犠牲にしなくちゃいけない。
子育てというものは、そう言うものなんだろう。
でも、子供を育てた事のない二人には、分からなかったんだと思う。
自分達の時間を犠牲にすることは出来なかった。
それどころか、あたし達に自分達の楽しい時間が奪われている事に、憤りを感じていた。
どんどん冷たくなっていく二人の態度。
でも、あたしも潤も家に住まわせてもらっているだけで……最低限生かしてもらっているだけで、二人には感謝をしていた。
例え二人が居なくても、あたしには潤がいたし、"寂しい"とは思った事がなかったんだ。
潤もきっとそう思ってくれていたんだと思う。