漆黒の闇に、偽りの華を

そして、あたし達に2回目の転機が訪れたのは、15歳の高校受験を控えていた時。


親戚夫婦が、あたし達のどちらかを養子に出すと言い出す。


親戚夫婦は、「2人分の受験の世話なんか出来ない。」と言っていた。


それも、嘘ではないと思う。


でも、一番の理由は、あたし達を厄介払いしたかっただけなんだと思う。


"潤と離ればなれになる"


恐怖で体が震えたのを覚えてる。


そんなあたし達を鼻で笑う二人を見て、初めて怨めしいと思った。


何であたし達だけがこんな目に遇わなきゃなんないんだって、自分達の運命を呪った。


悲しくって、悔しくって、ごっちゃになった気持ちで唇を血が出るほど噛んでいたあたし。


次の瞬間、潤の口から出た言葉に愕然とする。


「俺がここを出てくよ。」

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