漆黒の闇に、偽りの華を
「…………おかえり。」
ふわふわな物の正体は、毛布だった。
少し厚手の起毛のやつを恭が掛けてくれたらしい。
「……ただいま。」
恭が、少しあたしから視線を逸らす。
頬が少し赤くなっている気がする。
「勝手にベッド借りてごめん。何か眠くて眠くて……。」
「昨夜は、殆ど寝てないですもんね。
自由に使っていいんですよ。元々俺も仮眠で使うために置いたんですから。」
恭は、いつもの笑顔であたしに微笑む。
「でも、鍵は掛けて下さい。
ここは男の巣窟なんですからね。あんな無防備に寝ていたら、何かされてもおかしくないんですよ?
残念ですが、俺は男共の本能の管理までは手が回りません。」
「ん。気を付ける。」
恭は、あたしの頭をクシャッと撫でて、机にカバンを置く。
ん?何だか違和感。
なんだろ??
あ。制服姿初めて見たからかな?
学ランじゃなくてブレザーか。
割と似合ってる。
というか、秀才君て感じだ。
あれ?
制服?
んんん???