漆黒の闇に、偽りの華を
「いやいや、百合っぺ!ああいうむっつりなのが一番厄介なんだって!」
一体何の話をしているのやら……。
「おい。恭は?」
百合さんの隣で黙ってた太一が口を開く。
「え……あぁ、何か寝ちゃって……。」
あれ?
あたし何赤くなってんの?
さっきの事を思い出すと、とたんに鼓動が早くなる。
みんなにばれないように、俯いてみる。
「恭が……お前の前で寝たのか?」
「え?そうだけど……。」
何この雰囲気。
みんな驚いたようにこちらを見る。
「茉弘ちゃん、それ本当?」
さっきまで、よく分からない事を言っていた直まで真剣な面持ちになる。
「本当も何も……あっという間に寝たけど。」