漆黒の闇に、偽りの華を
「あんた……何でここに居るのよ……?」
「えー?何がぁー?丁度通りかかっただけだけどー?」
わざとらしい惚け方。
ニンマリと笑った青白い顔が薄気味悪い。
「惚けないでよ。ここは煌龍の縄張りよ。あんたら"敵"が簡単に通りがかるわけない。」
「ひひっ。まぁ、そう睨むなって。別にお前の計画を邪魔しに来たわけじゃない。」
プリンがかった金髪の長髪をかき上げながら、葛原はいやらしい目付きであたしを見る。
ぞっとして一歩後ずさると、葛原の指があたしの頬を撫でる。
「俺はただ、お前がちゃんと俺との約束を守ってんのか、この目で確認しに来たんだよ。」
業とらしく猫なで声を出す葛原。
「触らないでよ!」
思わずその手を思いきり払う。
「いてぇなぁ。」
―――――バシ!