漆黒の闇に、偽りの華を



「茉弘!!」「「茉弘ちゃん!!」」


倉庫に戻ると、あたしを見付けるや否や、百合さんと直と春馬が一斉にあたしに駆け寄ってくる。


「ごめん。何か心配かけちゃったみたいで……」


「ううん。無事ならいいんだよ。こっちこそごめん。太一が変な言い方したから、嫌だったよね?」


百合さんはあたしを優しく抱き締めて、頭を撫でる。


それを見て恭が隣で微笑んでいる。


「茉弘ちゃーん!」


「こら!直は抱きつかなくていいの!」


百合さんに便乗して、あたしに抱きつこうとする直を制しながら、春馬があたしに目配せする。


何?


あっちを……見ろ?



そこには、さっきのミーティングルームで一人必死に何か書き物をしている太一の姿。

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