漆黒の闇に、偽りの華を
恭の顔を盗み見てると、突然恭と目が合う。
うわぁ。見てるのバレた……。
何か無性に恥ずかしい。
そんなあたしの心情を知ってか知らずか、恭はあたしにヘラっと笑い返す。
ほら。
これのどこが怖いって?
ヘラヘラした優男以外の何者でもないし。
「「お疲れ様です!!!」」
あたしは、その聞き慣れない声にはっとして振り返る。
よく見ると、さっきまであたし達しか居なかった倉庫に、徐々に人が集まり出していた。
側まで挨拶に来ていたのは、見るからにヤンチャそうな巣鴎の制服を着た二人。
「祐也、斗真、お疲れ様。斗真、この前破損したバイク、直ったみたいだね。。」
「はいっ!思ったより大したことなくて!修理に出すまでもなかったっす!祐也にも手伝わせたんで!」
「手伝わせたも何も、ほとんど俺が直したんだろーが。」
「はは。祐也は手先が器用だからね。
二人とも、バイク壊れるような無茶な走りばかりしちゃダメだよ。」
「「うすっ!!!」」
二人は礼儀正しく頭をペコッと下げて、自分のバイクらしき所にそれぞれ散っていく。
「……何か恭、総長っぽい……。」
「はは!一応総長なんですけどね!」