漆黒の闇に、偽りの華を


「……元々は、この地区が色んな暴走族や不良グループだらけだったのは知ってる。
警察が手をつけられないくらい荒れてたって。
その地区を統率したんだから、必然的にそうなるのは分かるよ。」


恭は、真面目な顔から一転、にっこり微笑む。


「茉弘は、頭がいいから話が早くて楽です。ここまで男三人理解させるのに、俺がどれだけ苦労したか……。」


「うるせーぞー。話続けろー。」


「そーだ!そーだ!脱線すんなー!」


カリカリカリカリカリカリカリカリ(太一)


百合さんは、あたしに苦笑いしてみせる。


『こいつらアホだからね。』


って、顔だ。



「コホン。まぁ、この話は置いといて。

要は、亀裂はいつ生じてもおかしくはなかったって事です。

俺が初めにこの地区に来た時、この地区は7つのグループに別れていました。」


「7つも?」


「そう。その7つのグループが、この地区を自分達の縄張りにする為に日々抗争を繰り返していたんです。そりゃあ、凄かったですよ。もう、殺し合い一歩手前、です。」

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