漆黒の闇に、偽りの華を
今煌龍が統率してるこの地区は、他の暴走族が占領している地区に比べたら、圧倒的に広いらしい。
だけど7つもグループがあったら、いくらこの広い地区の中でも、必ず対立している他のグループと鉢合わせになる。
その度に喧嘩や抗争が勃発する。
そりゃ警察ですら頭をかかえてしまう状態だろう。
「まぁ、何とかその7つのグループを統率出来たわけだけど、そこが問題だったんです。
もちろん信頼関係を結ぶ事が出来て、煌龍になるのを了承してくれたグループもありました。でも正直、無理矢理力で抑え付けなくちゃいけないグループもいくつかあった……。」
そりゃあ、元々この地区を自分達の縄張りにするのを目標にしていた人達でしょ?
そう簡単に言うことを聞くわけがないもんね。
「その力で抑えていた人達が、今になって裏切り出してるってこと?」
恭は、深く頷く。
「でもそれは、俺の中では予想の範囲内でした。最初に煌龍を作る段階で、予想していた事だったんです。」
「じゃあ、大した問題じゃないってこと?」
恭は、首を横に振る。
「それ事態は大した事じゃないんです。でも、問題は別の所にあった…。」