漆黒の闇に、偽りの華を
「別の……所?」
幹部室に一瞬ピリッとした空気が走った気がした。
みんな黙ってはいるけど、気を張っているのが分かる。
いつもうるさい直でさえ、今は立派な"暴走族"の顔をしている。
そんな空気を切り裂くように、恭が話を続ける。
「この亀裂は、外部からの力によるものなんです。」
外部……。
血の気が引いていくのが分かる。
それと同時に嫌な汗がじわりじわりと出てくる。
まさか……
まさか…………
「"鷹牙"」
―――――――――――ドクン
「って知っていますか?茉弘。……茉弘?」
あ。
ダメ。
ちゃんと平常心でいなきゃ。
恭が見てる。
あたしが鷹牙のスパイだって事が、ばれちゃう。
「……あ。ご、ごめん!何か話がややこしくて、一瞬頭の中混乱した!」