漆黒の闇に、偽りの華を
恭の手があたしに伸びてきて、くしゃっとあたしの髪を撫でる。
恭は、優しく笑っている。
「大丈夫。あいつらの好きにはさせない。」
みんなもあたしを見て微笑んでいる。
「簡単にやられるわけねぇだろ。ばーか。」
太一は、持ってるペンをくるくる回しながらバカにした笑いをする。
「お前が思ってるほど煌龍は柔じゃねーよ。俺らは俺らで既に動いてんだ。
規模じゃあっちのがデカイけど、中身はうちのが断然濃い。あっちはそれを知らねーから今に痛い目見んぞ?」
「そんなに強いの?あんた達。」
「強いも何も、うちの総長さんにどんだけの奴が半殺……「太一?」
太一の話に恭が割り込む。
ハンゴロ?
何?
ハンゴロ??
「余計なこと言ってないで、続き。」
「もーいいだろ!いい加減!!十分反省しました!!」
「いや、まだだろ。その口はまだ全然分かってないだろ。」
「はぁ!?お前は鬼か!?」
あら。
揉め出しちゃった。
二人のやり取りを見てると、その後ろで百合さんが手招きをする。
近寄って行くと、あたしの耳元に小さな声で囁く。
「ね、茉弘。今度ね、"いいもの"見せてあげるからね。」
恭を指差しながらウインクをする。
何だろいいものって?
恭に関することみたいだけど。
また一つ、恭の事を知れるのだろうか。