【短編】キラキラ *幼なじみ*
ドアからエプロン姿の裕也が顔を出した。
ばちっと目が合う。
「南?」
不思議そうに裕也は聞いた。
「え!?なになに2人知り合いなの?」
中西さんは驚いたように言う。
「同中」
と裕也が答える。
本当は
生まれた時から
同じマンションに住む幼なじみだけどねっ!
あっさりした答えに
ちょっと不満のあたし
「そっかぁ~。私達たった今お友達になったんだ。ね~♪」
裕也はちらっとあたしを見た。
な…なに?
と訴えるようにあたしも見る。
そのまま裕也は中西さんに
「ふーん」
とそっけなく答えた。
「何よぉ、もっと反応してよ~」
中西さんは可愛く頬を膨らまして肩を叩く。
「それより級長、中西が逃げたって怒ってたぞ」
「え、うそ。どうしよ~」
2人の会話は続き、
あたしはクラスが違うのでよく分からなく
ただ黙ってその光景を眺めていた。
高校に入っても
帰りは一緒に帰っているから
どこかで安心
してたのに
なんか
想像以上に仲良しで
ショックかも…。
嬉しそうに話す中西さん
裕也のこと
好きなのかな…?
やっぱり
裕也も…