【短編】キラキラ *幼なじみ*

ドアからエプロン姿の裕也が顔を出した。


ばちっと目が合う。

「南?」

不思議そうに裕也は聞いた。

「え!?なになに2人知り合いなの?」

中西さんは驚いたように言う。

「同中」

と裕也が答える。

本当は

生まれた時から

同じマンションに住む幼なじみだけどねっ!

あっさりした答えに

ちょっと不満のあたし

「そっかぁ~。私達たった今お友達になったんだ。ね~♪」

裕也はちらっとあたしを見た。

な…なに?

と訴えるようにあたしも見る。

そのまま裕也は中西さんに

「ふーん」
とそっけなく答えた。


「何よぉ、もっと反応してよ~」

中西さんは可愛く頬を膨らまして肩を叩く。


「それより級長、中西が逃げたって怒ってたぞ」

「え、うそ。どうしよ~」


2人の会話は続き、

あたしはクラスが違うのでよく分からなく

ただ黙ってその光景を眺めていた。


高校に入っても

帰りは一緒に帰っているから

どこかで安心

してたのに


なんか


想像以上に仲良しで


ショックかも…。


嬉しそうに話す中西さん

裕也のこと
好きなのかな…?


やっぱり


裕也も…
















< 15 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop