【短編】キラキラ *幼なじみ*
3日目★
「南」
掃除に行こうとすると数学教師の静(シズ)ちゃんに引き留められた。
「へ?」
「すまんが、4組にこのプリントを持って行ってくれ。」
えっー。と不満そうに言うと、静ちゃんの眼鏡がキラーンと光った。
「さんざん授業を聞いてなかった人間はどいつだ?」
痛い所をつかれ、あたしは苦い顔をする。
「とにかく、頼んだ。」
静ちゃんはプリントをあたしの頭に置くと、すたすたと職員室に戻っていった。
「ちぇ…」
あたしはため息を漏らすと、階が違う4組へ行くため階段を下りる。
4組に近づくと、ワーワーと騒がしい声が聞こえてきた。
「なー、裕也と中西ってまだ付き合わねぇの?」
一人の男子が女子に問いかける。
「え~。香織ちゃんは、違うって言っているけど…」
な
なんつー会話!
入りづらくて廊下に立ち止まる。
「でも相思相愛だろ?」
「うーん」
「だってキスした仲なんだぜ?」
笑いながら、からかうように言う。
えっ………?
手に力がはいらなくて
思わずプリントを落としそうになった。