【短編】キラキラ *幼なじみ*
何時間たっただろう…

落ち着きをとり戻し

真っ暗闇の部屋

体育座りをしながら俯くあたし


考えるのはやっぱり裕也のことで。

本当

分かってたのに。

性格も良くて、顔も美人な子なんかに


あたしに勝ち目がないことぐらい。

だけど


だけど

なんでこんなに悲しいんだろう…?

期待…とか、

してたのかなぁ…

あたし。

じわぁとまた涙が目にたまる。

「はぁ…」

涙を手でぬぐう。

こんな腫れた目で家帰ったら
きっとすごく心配されるだろうな。

ああ


心の中でなら


こんなにさらけ出せるのに。


あたしは瞳を閉じる。


裕也…


本当は、


本当はね


大好きだったよ。


こんなに近くにいたのに

大切なことはずっと笑って隠してた。









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