【短編】キラキラ *幼なじみ*
教室に近づくと
何やら女の子の声が聞こえてきた。


「あっ、あの…私市原くんが、ずっと好きでしたっ!」




もしかして…告白…?


あたしは気付かれないようにしゃがみそっと耳を近づける。

「それで…良かったら、付き合って下さい…」

顔は見れなかったけど


可愛い声


お願い。

OKしないで…。

最低な人間だと自覚しながらも

あたしは手を合わし

心の中でそっと願う…

「ごめん。俺、そういう気持ちないから。」

と言う裕也。

ほっと安心しながらも

チクリと胸が痛い。

ありがとうと涙を拭きながら去っていく女の子。


あたしも…

あたしも

もし想いを告げたら

こんな風に振られるのかなぁ。


沈みながら思う。


「南、帰るぞ」

ドアから出てきた裕也。

「……あ゛…」

あたしは裕也を見上げる。

完璧バレていた…。

あたし達は校舎を出ると歩きながら帰る。


「裕也さ、ちょっとモテるからって調子乗ってんじゃないの?可哀相じゃん。」


だって

あの振られた子が

なんか

あたしとかぶってしまう。

「だったらどう言やいい?好きでもない相手と
付き合えないだろ。」

「まぁ…そりゃそうだけど」
















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