【短編】キラキラ *幼なじみ*
「間違い、正せたか?」
裕也は、あたしに軽くデコピンをした。
「いたっ」
ふっと楽しそうに裕也は笑う。
「…うん」
額をさすりながら言うあたし。
皆、この男のどこがクールなの。
絶対子どもだよ。
でも
本当
良かった。
「それにしても裕也ファーストキスもまだなの?」
いけない。
いつもの癖でつい意地悪なことを言ってしまう。
あたしのばかー!
「お前は?」
あたしの発言に裕也が不思議そうに聞く。
「まだだよ。でも裕也してそうなのに、可哀相~」
笑ってからかうあたし。
あー何言っちゃってるんだ、本当…
「じゃあ、お前がしてよ。」
突然言い出す裕也。
「えっ!?」
驚いて、
台詞を聞いているあたしも裕也と同じくらい顔を真っ赤にする。
「お前が俺にキスしてよ」
これって
これって
「…遊びで?」
「違う、鈍感」
裕也は、はぁと深いため息をつく。
な、なによ~
「なんで気づかないんだろ…」
「え…何?」
「こんなにアピールしてんのに」
「なんのこと?」
「だから、」
と腕を握られた。
「他の男なんか見ないで俺を見ろよ?」
あ…。
もしかして、
裕也…。
さりげなく、好きって言ってくれる…?
「む…無理。」
「早…」
「だってあたし…ずっと裕也しか見てないし。」
裕也は目を見開き、ぼうっとする。
「それってどういうこと?」
「裕也が好きってこと」