【短編】キラキラ *幼なじみ*
「何で彼女作らないの?」

と聞いても裕也は答えようとしない。

「ははーん」

あたしは笑いながら言う。

「もしかしてみゆきが好きなの?」

「はぁ?」

何で雪村なんだよと言わんばかりに

眉間にしわをよせる。

「みゆき美人だもんねぇ~」

あたしとちがって…

ちょっとひがみが混じる。

本当にそうだったら絶対傷つくのに。

「あのなぁ‥」

裕也が何か言い出す。

「ん?何か言った?」

「うるさい。単細胞」



なんですってぇ~?と反撃しようと

すると通りすがりの大学生ぐらいの女性達の

会話が耳に入る


「ねぇねぇ、今の男の子カッコよくない!?」

「うんうん♪」

うわっ

裕也って大人の人にも人気あるんだ。

幅広い


どんだけライバル居るんだ、あたし。


「隣に居た子、彼女かな?」

じっと見られているのが分かる。

「えー、でも小さくない?妹かもよ」


ガ、ガーン

と青ざめる。


そ、そりゃ

確かに

あたしは背は小さい方だし。

顔も童顔だし、

どうせ裕也とは不似合いよ。


でも、直接聞くと、

やっぱり傷つく…。

しゅん

あたしはそのまま押し黙った。


憂鬱そうにして歩いているのを裕也は気づくと、

「森の木にリンゴがなっていました。さていくつ?」

と子供みたいに質問してきた

「なにそれ?」

「心理テスト」

ぷっと、吹き出す









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