夢喰い

そして翌日、顔色の悪い男に向かってはっきり告げた。


「たっくんとはもう会わないことにする」


ぽかんと間抜けに口を開ける男。私はわざとらしく眉を寄せて上目使いをぶつける。


「ごめんね?」

「ちょっと待てよ!何だよ急に!?」


男は明らかに動揺し、私の肩を強く掴む。痛い。


「……痛い。たっくんの、そういう所が怖くなったの」


すると男はダラリと腕を放した。その隙に私は素早く部屋を出る。
< 13 / 90 >

この作品をシェア

pagetop