夢喰い

私を見つめる友行の目は、なんだか底無しに優しくて。

まるで子供をあやすみたいな、慈しむ目だった。


「なんで見てるの?」

「深紅ちゃんが安心して眠れるように」


馬鹿じゃないの、そう思ったけれど、なんだか照れ臭くて顔を埋めた。


もしかして私が眠るまで見つめてるつもりだろうか?


冗談じゃない。

私は寝たフリをして友行が眠るのを待った。
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