夢喰い
恋人
朝目が覚めると、私は友行の腕の中にしっかりと収められていた。
「あ、起きた?」
頭を上げると、また友行と目が合った。
眠る前に見たのと同じ、優しく慈しむ目。
「友行くん、起きてたの?」
「うん、嫌な夢見ちゃって」
ツキンと胸が痛んだ気がしたけど、気づかなかったことにした。
「大丈夫?」
「うん。目が覚めたら深紅ちゃんが居たから」
友行の台詞はただ調子良く言ってるだけじゃないって分かる。
素直に本心で喋ってる。