夢喰い

ずっとぽやんとしていた友行が見せた、一点の曇りもない真剣な表情。

目が、離せなかった。

男にそう言われることには慣れている。

昔は適当に付き合ったりしたけれど、すぐに別れることが分かっていたので、特定の相手を作ることはやめていた。

だけどこの時私はほとんど無意識に言葉を返してしまったんだ。


「いいよ」


パッと華やぐ友行の顔。
なぜだか分からないけれど、その顔をもっと見ていたいと思った。
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