夢喰い
戸惑い
「深紅!」
一時間目の授業の教室に入るなり、奈々が私に飛び付いてきた。
どこか不安そうな表情を浮かべる奈々。
「奈々、どうしたの」
「今度は友行なの!?」
夕べ私が友行と消えたから奈々は気付いたんだろう。
私が代わる代わる色んな男と夜を過ごしていることを、奈々は知っている。
「まぁ、そんなトコ」
そう言うと奈々は愕然としたようにも見えた。
「友行のことも、いつか捨てちゃうの?」
胸の奥がちくりと痛んだ。