夢喰い

その日の夕方、授業を終えてマンションに戻る途中だった私の携帯にメールが届いた。


『今夜も行って良い?』


送信者は【大野友行】
私は少しためらったけれど、素早く返信メールを作成した。


『うん、モチロンいいよ』


パタンと携帯を閉じて部屋へと急ぐ。


今夜は夢を食べないであげても良いよ、友行。


薄く朱色を帯びた空が、なんとなく切なかった。
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