夢喰い

重ねた唇を通して伝わる、友行の温かい夢。

満ちてゆく、私の全身に。

友行はまだこんなにも、胸に滲みる夢が見れるんだね。


今までの男と何もかもが違っている。

私に多くを望む訳でもなく、身体を求めるでもない。

ただ一緒に居て、一緒に眠るだけ。


だからなのかも知れない。私が友行の夢を食べるのが辛いのは。

今までは夢の代わりに身体を提供して、対等な取引でもしているかのような気になっていたから。
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