夢喰い
翌朝、私が目覚めると友行はまた優しい目で私を見つめていた。
いつもそう。
夕べ酷い悪夢を見たとは思えないくらい、穏やかに微笑んでる。
だけどやっぱり、顔色は悪くてやつれている。
「おはよ、深紅」
「友行……顔色悪いね」
友行は自分の頬を触ってみて、軽く首を傾げる。
「そう?最近夢見が悪いからかな」
「大丈夫?」
友行は柔らかく笑い、キュッと私を抱き寄せた。
「目が覚めて深紅が居るだけで、俺は幸せだ」
友行はそう言って私の額に口づけた。