夢喰い

来ないで。
そう祈って目を逸らしたけれど、願いも虚しく男は近寄って来た。

男は可愛いけれど酷く甘えそうな女を連れている。


「久しぶりだな」

「……」


私がシカトを決め込んで居ると、男は友行の方に絡み始めた。


「おいお前、気をつけた方が良いぞ」


男の言葉にキョトンとする友行。

すぐに男を捨てることを言っているのだろうか?
あいにくだけど、友行だってその事は分かった上だ。

すると男はさらに続けた。
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