夢喰い

大学の門の前で車は停められた。


「ありがとう、たっくん」

「いいよ。帰りはいつになる?」

「わかんない。連絡するね」


私はドアを閉めて大学へと入っていく。
振り返ってヒラヒラと手を振ると男はサッと手をあげた。


華奢なパンプスをコツコツと鳴かせながら、ふんわりと髪をなびかせる。

夕べのアイツの夢はなかなか良かった。

眠る前の行為は、しつこくて欝陶しかったけれど。
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