夢喰い

泣き止むには少し時間がかかりそう。
ハラハラと涙が溢れてきて、まったく制御できない。

私は周りをはばからないでわぁわぁ泣いた。

店員の不審がる目や、さっきの男の怪訝な目、他の客の迷惑そうな目も気にしていられない。


なんていう気持ちなんだろう。この胸に沸き上がるのは。

受け入れてくれた喜び。
まだ離れなくてもいい安心感。

あぁ、今やっと分かった。
この気持ち。

私、今初めて知ったんだ。

これが『恋』なのだと。
< 70 / 90 >

この作品をシェア

pagetop