夢喰い
泣き止むには少し時間がかかりそう。
ハラハラと涙が溢れてきて、まったく制御できない。
私は周りをはばからないでわぁわぁ泣いた。
店員の不審がる目や、さっきの男の怪訝な目、他の客の迷惑そうな目も気にしていられない。
なんていう気持ちなんだろう。この胸に沸き上がるのは。
受け入れてくれた喜び。
まだ離れなくてもいい安心感。
あぁ、今やっと分かった。
この気持ち。
私、今初めて知ったんだ。
これが『恋』なのだと。