夢喰い


気づいてしまえば転がり落ちるのは簡単で。

本当の事を知っても私を受け入れてくれた友行が、愛しくて愛しくて堪らない。

一分、一秒も惜しいほどに私は友行と過ごしていた。


私はもう、このままダメになる覚悟だった。

夢を食べなくなったんだ。

自分自身が好きな人を苦しめることは、とても怖くて。

私はそれが出来なくなった。
身体は容赦なく衰えてゆくけれど。
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