夢喰い
夕べはあまり寝られなかったけど、また悪夢を見たはずの友行を思えばたいしたことない。
それでも相変わらず友行は、目覚める私を慈しむように見つめていた。
「おはよう深紅、喰ってくれたんだな」
私は少し曖昧な笑顔を返した。
私、生きてる。
その日、私は友行に一日中一緒に居てくれるように頼んだ。
ずっとずっと飽きるくらいまで抱きしめていて欲しいと。
友行は少し考えたみたいだったけれど、またぽよんとした笑顔で頷いた。