季節外れの花
私が持ってきたタオルを太陽は、お礼を言

いながら受けとる。

「で、なんでここにいるの?」

泥だらけの体をタオルでふく太陽に聞く。

さすがに外でふくのは、あれなので私の家

の玄関で体をふいている。

「あ?んー、偶然通っただけ」

確かに、太陽の家は近所だし。

そりゃ、会うか。でも、久しぶりだな。

「 ふーん。で、なんで泥だらけなの?」

子供と遊んでたとか、言いそうだな。

だって、あの太陽だし。顔は怖いけど、

案外良いやつだし。なんか、子供と戯れて

る姿が想像できるな。

「んー」

あ、そこノーコメント!?言いずらそうに

口ごもっている太陽。

「どうせ、子供と遊んでたとかでしょ」

「は!?俺、そんな事しないし‼」

身を乗り出して否定してる。

「え?じゃあ、何?」

「ん・・・」

やっぱり、答えられないみたい。

気まずそうに顔を伏せている。

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