季節外れの花
私の大切な人の手。

ズキン

痛みの招待を私は、知ってる。

だからなのか、余計に信じられなくなる。

「なんで?ここにいるの?」

さっきと同じ言葉を繰り返す。

それに呆れたように、笑う太陽。

「いや、なんかさ。ちょっと……。」

ぽりぽりと首をかく姿。

あ なつかしいな

ドキン

あぁ この時間がずっと続けば良いのにな

トクントクン

加速していく心臓の音

太陽の笑顔

同じ場所にいて

同じ空の下

掴まれた手は熱を持っていて

胸が痛い
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