季節外れの花
太陽に全部言おっかな。いったら、楽に

なるかな。あの気持ちが、少しは

軽くなるかな。

でも、太陽はどう思うかな。

こんな話ししても、嫌だよね。

キモいとか、おもうかな。

「言いたくないなら、良いよ。」

苦しそうな太陽の顔。

あ、太陽はそんな事思わないよね。

そんなの、分かってたはずなのに。

なんでだろう、太陽に言う勇気がない。

「ごめん。」

「謝るなー。ほい、これプレゼント。」

え!?

太陽がなげてきたのは、花の形をした

ストラップ。

「可愛い・・・。ありがと。」

「お前さ、以外に可愛いの好きだもんな。」

「なっ!!以外にってなんだよー!」

「そのまんまの意味だけど?」

んー!!!生意気だーー!

「ハハ、やっぱ笑ってた方が可愛いぞ。」

ドキッ

え?急に何?

戸惑う私にじゃーなって言って、扉を開け

て帰って行った。

何?さっきの?聞き間違え?

いや、そんなはずない。

なんか、心臓がうるさい。

不意討ちだからか、無性にドキドキする。

でも、それと同時に痛い。

さっきと同じところが、痛い。

‥‥あ。タオル。

太陽が体を拭いたタオル、返してもらって

ない。

「た、太陽。」

ドアを開けて、太陽の背中を探す。

あ、いた。少し遠いところに太陽の背中。

私のタオルを肩に掛けてだるそうに

歩いている。さっきの言葉を思い出して、

またドキドキしてる。

おかしい。胸のあたりが、苦しい。

息がしずらい。
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