道はどこまでも続いているから。
「…ごめんな」
何故か私に謝って、
「でも、泣いてたから。」
と、付け足した。
先生はなにも言わずに私の頭を優しく撫でてくれた。
その暖かさに、また涙が溢れた。
「…帰るか?」
少しして泣き止んで落ち着いたのを見計らってそういってくれた。
「ありがとう、ございました。
こんな時間まで…すみませんでした」
帰ろうとする私のカバンを無言で奪うと、先生は私の手を握った。
「待たせてたのは俺。謝んなくていい。
ほら、お詫びに一緒に帰るぞ~」
軽いノリで私の手を引っ張ってくれた。
握られていた先生の手を、私は軽く握り返した。