道はどこまでも続いているから。
「い、いやぁ…鈴木先生が、なぁ?」
「なぁってなにさ」
案外仲良さそうなふたり。
歳も似たようなもんだし…。
「俺はここらへんに住んでるクラスの子の家庭訪問。
ついでについてきた」
鈴木先生はそう主張した。
「いや、俺が鈴木先生の家庭訪問に付き合った」
逆に担任はこう主張している。
どっちがどっちなんだ、これ。
「森田さんがずっと休んでるって聞いたのに家庭訪問行ってないって聞いたから。」
鈴木先生が、「森田さん」そう呼んだ。
あの日、一緒に帰って私の話を聞いてくれた日から先生は私の事を汐音と呼んでくれていた。
久々の苗字呼びにどこか寂しさを感じた。