ファインダー越しの恋
「…ヒイロさん?どうしたんですか?」
桜子の言葉にハッとする。

「…いや、なんでもない。仕事があるからもう行くよ」

そう言うと、俺は、2人から離れた。

…龍也に言われた桜子への想い。
…言われても、まだ自覚ができないでいた。

…そんなある日、編集長との会話の中で、写真の話をしていると。

「最近、ヒイロの写真変わったよな?」
「…そうですか?」

自分では、今までと何も変わってないと思う。

「あぁ、変わった。…好きな女でもできたか?」

その言葉に、目を見開く。
そんな俺を見た編集長は、ハハッと笑った。

「お前が動揺してる顔、初めて見た気がするな」
「…」

…編集長とはもう長い付き合いだ。
それでも、ポーカーフェースを崩したことはなかった。
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