ファインダー越しの恋
4.暗闇のキス
…その日以来、ヒイロには会わなかった。
ちょっと困ったような笑顔が頭から離れなくて、その理由が知りたくて、ヒイロに会いたくて仕方がなかった。
…でも、そんな時に限って、ヒイロには会えない。
「はぁ〜」
溜息をつきながら仕事を進めていく。
今日は、雑用を山ほど頼まれているため、中々終わらない。
資料整理やら、写真整理。指示された仕事を一つ一つしっかりこなしていると、誰かが部屋に入って来た。
…ここは、資料室。
誰が来てもおかしくない。私は気にもとめず、作業を進める。
「…油性ペン持ってる?」
「…へ?…あ、はい」
目の前に差し出された手に、ペンを渡す。振り返ることもせず。
「サンキュ」
「いえ…」
返されたペンを受け取ると、また作業に没頭した
ちょっと困ったような笑顔が頭から離れなくて、その理由が知りたくて、ヒイロに会いたくて仕方がなかった。
…でも、そんな時に限って、ヒイロには会えない。
「はぁ〜」
溜息をつきながら仕事を進めていく。
今日は、雑用を山ほど頼まれているため、中々終わらない。
資料整理やら、写真整理。指示された仕事を一つ一つしっかりこなしていると、誰かが部屋に入って来た。
…ここは、資料室。
誰が来てもおかしくない。私は気にもとめず、作業を進める。
「…油性ペン持ってる?」
「…へ?…あ、はい」
目の前に差し出された手に、ペンを渡す。振り返ることもせず。
「サンキュ」
「いえ…」
返されたペンを受け取ると、また作業に没頭した