ファインダー越しの恋
「アハハ、最初はみんなそう言うわ。大丈夫よ、慣れれば大したことないない」
和美はそう言いながら、憶えなければならない仕事を教えていく。
私はそれを必死に覚えなければならず、その膨大な仕事量に、半ば、めまいを覚えたくらいだった。
「ぁ、ヒイロ!」
和美がドアの方に向かってそう言うと、手を振っている。
…ヒイロ?…それって、人の名前?
私は和美の視線を追い、そちらに目を向けた。
「・・・あ」
…また、会えた。私の視界に入ったのは、確かにあの桜並木で会った彼だった。
…彼の名前が、ヒイロ?
私は目の前にいる彼に、目が奪われ、言葉を発する事もない。
・・・ただ、彼を見つめるだけ。
「この子、今日からこの課で働く事になった、柏木桜子ちゃん。で、こっち、うちの専属カメラマンの八嶋 緋色(やしまひいろ)見た目若いけど、もう三十路なのよね、ヒイロ?」
そう言って微笑む和美。…ヒイロは、フッと笑って、和美の頭を軽く小突いた。
「バカ、人をおっさんみたいに言うな」
「もう、おっさんでしょ?桜子ちゃんはまだ22歳なんだからね~」
「え・・・いや、八嶋さんはおっさんじゃ・・」
「ヒイロでいい」
「・・・え?」
「ヒイロでいいって言ったんだよ。名字で呼ばれんのあんまり好きじゃないから」
「…はい、…じゃあ、ひ・いろ」
「うん、宜しく、桜子ちゃん」
・・・その優しい笑みに、更に魅かれていく。
…どうしよう。これはもう、完璧、一目惚れだ。
180㎝以上の長身、ほんのり栗色の少しパーマのあたった髪。
細いのに、なんだかがっしりしているその体つき。
細マッチョとは、こういう事を言うのかもしれない。
誰が見ても、ヒイロはイケメンだ。
和美はそう言いながら、憶えなければならない仕事を教えていく。
私はそれを必死に覚えなければならず、その膨大な仕事量に、半ば、めまいを覚えたくらいだった。
「ぁ、ヒイロ!」
和美がドアの方に向かってそう言うと、手を振っている。
…ヒイロ?…それって、人の名前?
私は和美の視線を追い、そちらに目を向けた。
「・・・あ」
…また、会えた。私の視界に入ったのは、確かにあの桜並木で会った彼だった。
…彼の名前が、ヒイロ?
私は目の前にいる彼に、目が奪われ、言葉を発する事もない。
・・・ただ、彼を見つめるだけ。
「この子、今日からこの課で働く事になった、柏木桜子ちゃん。で、こっち、うちの専属カメラマンの八嶋 緋色(やしまひいろ)見た目若いけど、もう三十路なのよね、ヒイロ?」
そう言って微笑む和美。…ヒイロは、フッと笑って、和美の頭を軽く小突いた。
「バカ、人をおっさんみたいに言うな」
「もう、おっさんでしょ?桜子ちゃんはまだ22歳なんだからね~」
「え・・・いや、八嶋さんはおっさんじゃ・・」
「ヒイロでいい」
「・・・え?」
「ヒイロでいいって言ったんだよ。名字で呼ばれんのあんまり好きじゃないから」
「…はい、…じゃあ、ひ・いろ」
「うん、宜しく、桜子ちゃん」
・・・その優しい笑みに、更に魅かれていく。
…どうしよう。これはもう、完璧、一目惚れだ。
180㎝以上の長身、ほんのり栗色の少しパーマのあたった髪。
細いのに、なんだかがっしりしているその体つき。
細マッチョとは、こういう事を言うのかもしれない。
誰が見ても、ヒイロはイケメンだ。