ファインダー越しの恋
「お、いい所に来た!ヒイロ、この間の写真の事なんだけど」
課長がデスクから、来い来いと手招きしている。

「悪い、課長のお呼びだから、行くよ」
そう言うと、和美の頭をポンと叩いて、課長の下へと行ってしまった。

「・・・あの」
「ん?どうしたの?」

沸々湧きあがる疑問を、聞かなければ落ち着かない。
私は意を決して、和美に質問をした。

「ヒイロさんと、和美さんって・・・その、あの、恋人、ですか?」
「・・・」

だって、2人のあまりに多いボディ―タッチ。見つめ合う瞳。
どこからどう見ても、恋人にしか見えない。

黙ったまま、こちらを見つめる和美。私は息を呑んだ。

「そうだったらいいんだけどね」
「・・・へ?」

間抜けな顔をしていたに違いない。
私を見ていた和美がクスクスと笑った。

「ヒイロの事、好きよ」
「・・・・?!」

「・・・でも、それは一方通行の好き」
「それって・・・」

「そう、完璧な片思い」
「・・・」
その言葉に、目を見開く。

「ヒイロは、特定の彼女は作らない質らしくてね?告白した事あるけど、フラれたの。それでも諦めいきれなくて、片思い続行中」

そう言って和美は苦笑いした。そして・・・

「ヒイロは止めときなさい」
「・・・」

「桜子ちゃんの手に負える相手じゃないから」
「・・・」

・・・一目惚れした次の瞬間・・・すぐに失恋?
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