猫の恩返し
「これ…」


「とりあえず、着とけ」


俺の姿と渡した服を見比べ、袖を通す

小柄だからか女の子だからか、シャツを着ただけで腕は肘の辺りまで、足は太股の辺りまで隠れた


ちょっとこれ、萌えの要素が…


ついカッターシャツを着せてみたくなる気持ちを抑え、ハーフパンツも手渡す

一生懸命足を上げて履こうとするも、ベッドの上でバランスを崩し倒れる間抜けさ


「座って履けよ」


そう言うと座って足を曲げたものの、これまた苦戦


「ほら。履かせてやるから、足」


イライラする気持ちを抑え手伝ってやると、2~3秒で終了

で、立つとストンと腰から落ち、履いてる意味をまったくなさなかった


「気持ち悪い」


肘を上げたり下げたりしながら一言


「気持ち悪いって言ったって、仕方ないだろ」


「人間って、面倒」


そう呟いた
< 11 / 215 >

この作品をシェア

pagetop