猫の恩返し
「俺は送ってかなきゃダメだから、飲まないよ。あと、ナツちゃんはどー考えても未成年でしょ。酒禁止」


「え、私達電車で帰りますよ。ね、牧野さん」


「そうね」


下村が言った『私達』の中に俺とナツが入っているのか分からないが、飛び火するのも嫌なので静観することにした


「そんな冷たいこと言わないで、送らせてよー」


「結構です」


間髪入れずに答える牧野に目をやると、ナツと一緒に街を見下ろしている


「ちょ…。下村さんが断っちゃったら、話が先に進まないし」


「そんなの、私のせいじゃないですよ。係長が、ちゃんと牧野さんを説得すればいいだけのことじゃないですか」


「それが出来ないから、君に頼んでるんでしょ」


「係長…。そういうのは、思ってても本人の前で口にしないで下さい」


そんなやり取りを黙って見ていると、シャツの袖を引っ張られた
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