猫の恩返し
おでこに手を当てると、俺の手のひらの方が熱かったので安心した
すぐ傍に横たわるナツの顔を覗き込んでみる
金色の瞳は目を瞑っている時には分からないが、手入れの割にサラサラの状態を保っている真っ黒な髪や、透き通るように白い肌は夏を経ても変わらない
「ナツ…」
人差し指の背で、ナツの頬を撫でた
吸い付くような柔らかい肌に、もっと触れてみたいと思う
血色のいい唇にキスをしたいと思う
………何でだよ…
異性になかなか関わる機会がなかったから、性別の違うナツにドキドキしていると思ってた
どれだけナツが可愛くても、それは猫だからだと思ってた
───だから、ナツは猫だって
自分に言い聞かせてみても、何の効果もない
本当は、ずっと前から分かってたんだ
『猫』という、普通ではあり得ない関係のヤツを好きになったところで、うまくいくはずがないんだと…
だから、好きになることなんかない…と
もう…これ以上、自分の気持ちに嘘はつけない
すぐ傍に横たわるナツの顔を覗き込んでみる
金色の瞳は目を瞑っている時には分からないが、手入れの割にサラサラの状態を保っている真っ黒な髪や、透き通るように白い肌は夏を経ても変わらない
「ナツ…」
人差し指の背で、ナツの頬を撫でた
吸い付くような柔らかい肌に、もっと触れてみたいと思う
血色のいい唇にキスをしたいと思う
………何でだよ…
異性になかなか関わる機会がなかったから、性別の違うナツにドキドキしていると思ってた
どれだけナツが可愛くても、それは猫だからだと思ってた
───だから、ナツは猫だって
自分に言い聞かせてみても、何の効果もない
本当は、ずっと前から分かってたんだ
『猫』という、普通ではあり得ない関係のヤツを好きになったところで、うまくいくはずがないんだと…
だから、好きになることなんかない…と
もう…これ以上、自分の気持ちに嘘はつけない