猫の恩返し
△▼△▼△▼



「あ、おはよー」


課内に入るなり入口付近に居た係長に見つかり、笑顔で手を振られる


「遅くなってすみませんでした」


「いーよいーよ。先週は、小岩井くんにしちゃミスが多いなって思ってたけど…。体調悪かったらそのまま休んじゃえばよかったのに」


「え…?」


「何か急ぎの仕事でもあるの?よかったら俺が代わりにするから、小岩井くんは帰ってナツちゃんに看病でもしてもらえば?」


牧野…

体調不良って言ってくれてたのか…


部下の心遣いに感謝する

係長の言葉は笑って適当にはぐらかし、自分の席に向かった

牧野に礼を言おうと視線を向けると、ちょうど接客中だ


「あ、おはようございます。主任…寝てなくて大丈夫なんですか?」


下村も心配そうな顔を向けてくる
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